7〜8月の二ヶ月間,北極域グリーンランドで行った調査の様子をD2のMが紹介したいと思います!
待ちに待ったグリーンランドでの現地調査.
日本を出て,約3日間かけてやっとたどり着いたグリーンランド・カナック村
この村には,およそ700人の村人が生活しています.
家がカラフルで,とても可愛かったです.
この家は自分たちで立てたそうです!
家を建てるキットが販売されていて,分厚い説明書を読みながら,土台整備から全て自分たちで行うとのこと!驚きです…
現地に到着したのは7月中旬.
当時は,このようにまだ海氷がびっしり海を覆っていました.
氷の上を歩く人の姿も見えます!笑
それくらい分厚い氷でした.
ちなみにこの船は年に数回,食料等を届けに来る貨物船です.海氷のため荷揚げできず,この状態で数週間待機していたのだそう…
現地の人によると,例年よりも開氷が2週間ほど遅れているとのことでした.
海氷により船が出せなかったため,当初予定していた日程での調査ができず…
自然相手に行うフィールド調査.このような予定変更もつきものです!
気長に待つことおよそ2週間…
氷がだいぶなくなり,ついにフィールド調査がはじまりました!
調査は,現地のハンターさんたちに船を出していただき,一緒に行いました.
高さ数十mの氷山がたくさん.圧倒される光景でした.
残っている海氷の上では,ワモンアザラシやアゴヒゲアザラシが休息している姿がたくさんみられました.
そして,アザラシを見つけたら始まる狩猟!
アザラシは現地の人々の食料として重要なだけでなく,冬季に大活躍する犬ぞりの犬たちの食料としても欠かせません.
狩猟されたアザラシは,お肉から毛皮まで,大事に活用されていました.
このアザラシから,私たちが研究で使うサンプルも採取させていただいてました.
大事な命からいただいたサンプル…
しっかり結果を残せるよう,分析頑張ります!
乗船調査の内容は,海棲哺乳類のサンプル採取以外にも,環境DNAの採水・魚群探知機を使った調査・プランクトンやマイクロプラスチックの採取・海鳥の目視調査など多岐にわたります.
カービング氷河のこんなに近くまで行って海洋観測!
この氷河の末端は年々後退していたり,氷河から発生する氷山の大きさが小さくなっている,というお話を,一緒に調査を行っていたハンターさんから聞きました.
目の前の場所で,今実際に地球温暖化による環境変化が起きていることを実感した瞬間です.
調査終了後の夜23時の空.白夜です.
太陽がずっと自分たちの上をクルクルしていました.
こまめに時計を確認しないと,気づいたらこんな時間!という現象が起こります.
今回のグリーンランド調査は,私たち海棲哺乳類チーム以外にも,氷河・魚類・海鳥・プランクトン・文化人類学など,様々な分野の研究者が参加しており,普段聞けないような各分野の研究内容や体験談を聞けたり,意見交換できたりと,調査以外の時間もとても有意義なものだったなと感じます.
次回は,海の上(調査の時)以外ではどのようなことをしていたのか,陸上での様子を紹介したいと思います!
おたのしみに!