北海道大学水産科学研究院が今年度から実施しているモーリシャスでのBlue Frontierプロジェクトに三谷が参加させていただき,行ってきましたので報告します.このBlue Frontierプロジェクト(Twitter: @BlueFrontierHU Facebook: https://www.facebook.com/blue.frontier.hu)は,日本の研究者たちがモーリシャスの人たちと共に,「未来づくり」のため,「海と共に歩む、我々の青い未来をつくる」ことをコンセプトとしており,水産開発を専門とし,プロジェクトマネージャーである北海道大学水産科学研究院 国際教育室の東条斉興助教のもと,藻類,頭足類,魚類,海鳥類,海棲哺乳類の研究者らが集まって実施しています.今回は,モーリシャスでの調査地の下見やカウンターパートナーとの関係づくりが主な目的です.
モーリシャスはアフリカ大陸の東にあるマダガスカル島(ワオキツネザルが有名です)のさらに東に浮かぶ絶海の孤島です.大航海時代にヒトが入ってくる前は無人島で,ドードーたちの楽園でもありました(ドードーについては「ドードーをめぐる堂々めぐり」(川端裕人著)がおすすめです!:写真1).
写真1.モーリシャスに向かう飛行機の中で読んだ「ドードーをめぐる堂々めぐり」
関西空港からドバイ経由でモーリシャスへ.到着すると,そこは南の島でした.島にはさとうきび畑が広がっていて,溶岩でできた日本では見たことがないような形の山や木が見えます(写真2).
写真2 島に広がる風景
このさとうきび畑で採られた砂糖や,砂糖から作られたラム酒(写真3)が有名です.
写真3 ドードーが描かれている瓶に入っているパッションフルーツ入りラム酒.他にもマンゴー入りやバニラ入りなどのラム酒も売っていました.
翌日から早速,藻場調査を実施するメンバーたちと一緒にシュノーケルで海に入りました.海の中は,いつも見ているのとは違う海で,久しぶりに南国の海の中を楽しみました(写真4).
写真4.海の中の写真
そして,船から海棲哺乳類の目視調査をしたり,マッコウクジラウォッチング,ドルフィンスイムの船に乗り,モーリシャスの海でどんなことができるだろう,という観点から見てみました.
首都であるポートルイス(島の北西)港の中にもイルカ(おそらくミナミハンドウイルカ)が見られたり,全身が見えるほど垂直ジャンプしているイルカ(おそらくマダライルカ,写真5)が見られるなど,南の海の鯨類がいる印象です.
写真5.高く飛ぶイルカ(おそらくマダライルカ)
この時期(南半球の夏)にはマッコウクジラ・ウォッチング(スイミング)する船が島の南西から出ており(写真6),多くの観光客で賑わっていました.マッコウクジラは子どもを含む10頭以上の群れで,これもまた単独,あるいは複数頭のオスが見られる北海道の海とは違いました.
写真6.2頭並んだマッコウクジラ
この島の沿岸に周年生息するハシナガイルカを対象としたドルフィン・スイムの船も島の南西から出ています(写真7).ハシナガイルカが見られる場所は,沿岸からも近いので,船だけでなく,カヤックやサップで見にきている観光客たちもいました.
写真7.ハシナガイルカ
鯨類とヒトとの関係を考えると,彼らにあまり負担をかけないような観光のあり方,というのも水産開発の観点からは重要だと考えます.そして,こんなに綺麗なモーリシャスの海で,研究したい人,募集中です!!