D2のMOです.夏にグリーンランドのカナックで採取したサンプルを分析するために,グリーンランドの首都ヌークに行ってきました!今回は,共同研究者の方が所属するGreenland Institute of Natural Resources (GINR) に1ヶ月間滞在しました.
前回来た時は夏だったので,一日中太陽が登っている白夜だったのですが,今回は9時過ぎに太陽がのぼり,15時くらいまでずっと夕焼け,というような空でした.
GINRは,綺麗な山が見える海沿いに建っています.
到着後,さっそく胃内容物分析のワークショップに参加しました.
今回は,アザラシ,海鳥,オヒョウの胃内容物を分析しました.
胃から発見された餌生物は,大量にある参考資料と照らし合わせながら,種同定をしていきます.
ワークショップには,海棲哺乳類の研究者だけでなく,プランクトンやベントス,魚類の研究者も参加していたので,アザラシの各餌生物の同定方法などを詳細に教わることができて,とっっっても有意義な時間でした!
参考資料に載っていない同定ポイントも学べて,とてもレベルアップできた気分です.
3日間みっちり修行をして,夏にアザラシの胃から採取したサンプルの同定も行えました.
これから解析をしていくのが楽しみです!
胃内容物分析の後は,夏に採取したアザラシたちの年齢査定を行いました.
アザラシをはじめとした哺乳類の年齢は,歯を薄くスライスすると見える年輪のような層を数えることで査定できます.
これまで,アザラシ,ホッキョクグマ,オオカミやトナカイ,ジャコウウシと様々な動物の年齢査定をしたことがある研究者の方々に分析方法を教わることができました.
年齢査定は様々な工程があるので,2週間ほどかかります.
数日かけて特殊な溶液を使用して歯を柔らかくしたあと,こちらの機械で14μmにスライスしていきます.
スライスした歯をスライドガラスに並べる作業がとっても難しかったです!
染色し,乾燥させたあと,ついに年齢を数えていきます!
なんと今回査定したアザラシの最年長は44歳でした!
一緒に年齢査定を行った研究者の方曰く,これまで査定したアザラシの中でも最年長だそうです.
今回の滞在では,ワークショップや分析で関われた方だけでなく,様々な分野の研究者の方とお話できる機会がたくさんあり,それぞれの研究内容を聞けたのがとても楽しかったです.
次に会ったときには,研究の進捗を報告できるように,帰国後も頑張るぞ!という気持ちです.
そして
今回宿泊していたGINRの宿泊所は,海沿いの明かりが少ないところにたっていたので,
夜には,グリーンランドならではのオーロラもたくさん見ることができました!
満点の星空に流れるオーロラはとても綺麗でした:)
今回の分析結果は3月のシンポジウムで発表予定です (Seventh International Symposium on Arctic Research).
みなさま,良いお年を!!