2021/11/3~27 みらい調査

図1:調査海域.

D1のFさんがJAMSTECの調査船みらいによる調査報告を書いてくれました!


2021年11月3日から27日の間,JAMSTECの調査船みらいによる乗船調査に参加しました.普段の調査は北海道周辺がメインですが,今回の観測域は珍しく南方域です(図1).本調査の目的は,「西部北太平洋亜熱帯域におけるアジア域由来人為起源物質の分布と生態系への影響」です.私たちの調査チームは,海棲哺乳類と海洋ごみの目視を担当しました.他にも,マイクロプラスチックやプランクトンの採取,海中の水銀・セシウム等の測定,大気や海水中の物理・化学観測などさまざまな観測が行われました.

図2:群れで泳ぐゴンドウ類(カズハゴンドウ?).

 

コロナ対策のため,3回のPCRと5日間の事前隔離のあと,乗船しました.乗船中はいつもと変わらず,双眼鏡を使って海棲哺乳類を探します.北海道でもおなじみのマッコウクジラをはじめ,普段は見慣れないゴンドウ類や沖合性の吻の長いイルカ類も見られました(図2).見たことがない種類で,動きが早く,一つの群れの頭数も大きいため,種同定や頭数の確認が難しかったです.また,海鳥も北の方は北海道でも見られるコアホウドリやクロアシアホウドリが多いのですが,南に行くとアカアシカツオドリやカツオドリなどの南方性の海鳥が増えてきます(図3).カツオドリは船と一緒に移動していたのですが,窓や甲板が糞で汚れて,掃除が大変そうでした.

図3:マストに群がるアカアシカツオドリ(カツオドリもいるかも).マストは海鳥にとって何か魅力があるのでしょうか.

 

今回の調査は,南の海域は気温・水温ともに30℃近かったため軽装で調査できました.海も真っ青でとてもきれいです(図4).しかし,調査後半は時化てしまい(風速30 m,波7 m),調査が難しかったのは残念です.しかし,伊豆諸島沖では,最近沖縄で問題となっている,軽石も観測できました(図5).

 

図4:青くていかにも,南国の海.泳ぎたいですね.

 

図5:最近,沖縄で問題となっている軽石.赤茶色の筋に見えます.

 

目視調査をしていないときは,他の研究者の調査を見学させていただきました.調査の様子は,以下のリンクにありますJAMSTECのブログでも紹介されています.今後の調査も紹介されるそうですので,ぜひご覧ください.

http://www.jamstec.go.jp/rcgc/j/act/observation/mr21-06/#!prettyPhoto

みらいは初めて利用しましたが,とても大きな船舶で,観測機材や研究室が充実しているのはもちろんですが,図書室やビデオルーム,運動室などの娯楽設備も完備されています.さらに,居室は個室でした(普段は3-4人で一部屋が多いです).

本航海は,研究者の皆様をはじめ,乗組員,観測員の皆様にも大変お世話になりました.この場を借りて,御礼申し上げます.

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