2024年12月に実施された北辰丸での海棲哺乳類目視調査について,M2のSさんが報告してくれました!
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12月2日から12月5日にかけて,北太平洋を航路とした北辰丸での調査航海が行われました.9月末~10月上旬の同じ調査に引き続き,今年は2回の北辰丸での目視調査になります.海獣班からは,私と三谷先生が乗船しました.
この調査の目的は,前回と同様に,釧路町沖で起きているシャチによるとみられる漁業被害対策の検討に向けて,さらなるデータ収集を行うことです.
今回は,最終日にカレイ刺し網の漁場周辺でシャチの群れを発見しました!個体識別に必要な写真を撮ることもでき,しっかり記録をとることができました.
船が出る前に漁業者さんと話した際,今年もシャチによると見られる漁網の破れがあったことを聞きました.今回発見されたシャチが漁業被害に関わっている個体なのかどうかはまだ分かりませんが,今後も個体識別や継続的な調査により明らかにしていく必要があります.
写真1:きれいな朝日と共に目視開始!
写真2:今回見られたシャチの群れの一部
他には,キタオットセイが多く発見されました.写真は撮れませんでしたが,成熟したオスとみられる個体から,小さい個体まで見られました.
今回は,悪天候のため予定していた出航日よりも遅れ,乗船前に数日釧路に滞在していました.その間,釧路振興局や昆布森漁協にお伺いし,シャチによる漁業被害の現状についてお話を聞くことができました.
北海道沿岸のシャチの現状を把握するために,これからも引き続き,地域に根差した調査・分析を行っていければと思っております.
本調査でお世話になりました皆様,Readyforクラウドファンディングでご支援いただきました皆様に,心から感謝申し上げます.