海棲哺乳類調査実習: おしょろ丸乗船調査報告

M1のSさんが4月に行われたおしょろ丸での海棲哺乳類調査実習の様子について報告してくれました!

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4月23日〜27日にかけて、海棲哺乳類調査実習が行われました。

この実習は京都大学野生動物研究センターに所属する大学院生向けの授業として開かれ、M1の学生4人が乗船し目視調査を行いました。実習船は北海道大学水産学部附属練習船である「おしょろ丸」に乗せていただきました。

車と比較するとこんなに大きいおしょろ丸!6階建てで学生部屋は一番地下にあります

 

実習では、2人ずつワッチを組んでアッパーブリッジで海棲哺乳類を探しました。

探す手がかりは、しぶき、ブロー、背びれなどです。果たして海棲哺乳類は見られたのでしょうか??

アッパーブリッジでの目視調査の様子

 

最初の3日間ではクジラのブローやイルカの背びれ、海面に浮いているマンボウが見られました。

海面を漂うマンボウ。後にこの上に鳥が乗っていた

 

なんとか海棲哺乳類の姿をしっかり見たい!と探し続けたところ4日目にイシイルカの群れ、最終日にキタオットセイとイシイルカの姿を見ることができました。

V字型のしぶきを上げて泳ぐ2頭のイシイルカ

 

キタオットセイは日本に来遊する鰭脚類の仲間で、2層構造のふさふさの毛皮が特徴です。

今回はおしょろ丸の前をイルカのようにジャンプしながら横切る姿を見ることができました!!

また、海棲哺乳類がいないときもたくさんのミズナギドリやアホウドリが見られました。

鳥山と呼ばれる海鳥が集まっているところでは、海棲哺乳類が一緒に採餌していることがあるので要注目です。

船酔いでダウンしている人もいましたが、海棲哺乳類が見つかると皆元気になり、記録や写真を撮っていました。目視の他にも天候記録の方法やGPS、双眼鏡の扱い方も学び、充実した実習となりました。

 

ここからはおしょろ丸生活のハイライトです!

まずは「船酔い」です。私は特に酔いやすいので実習期間中元気だった日は半日あるかどうか…特に初日は波が4m以上と非常に高く、実習生のほとんどが船酔いで苦しんでいました。船酔いには酔い止め薬を飲む、アメやゼリーを食べて気を紛らわす、ベッドで横になって体を水平にするなどの対策が有効だと学びました。

実習生の部屋。船酔い時はベッドから動けませんでした

 

続いて「食事」。船員さんが作ってくださる、とても美味しくてボリューミーなご飯が食べられました。船酔いがひどいときはあまり食事が取れず悔しい思いをしましたが、目視調査で冷えた体に暖かい食べ物が沁みました…!

そして「Wi-Fi」。実はおしょろ丸船内ではWi-Fiがほとんど通じません。インターネットが使えるのはアッパーブリッジだけ…!学生たちは外に出るたびにGoogleマップを開き自分たちがどの海域にいるのか確認していました。

この実習で目視の基礎を学んだ海獣班1年生の私たちは、これからの調査でさらに腕を磨いていきます!今後の調査ブログもお楽しみください☺️

 

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