安定同位体分析

図1:電子秤(0.001 mgまで量れる.揺れで重さが変わらないように石材の上においてあり,扉もついている.)


海獣班もフィールドで調査ばかりしているわけではありません!調査で得られたサンプルを分析していたりもします.今回は,D1のFさんが分析の様子について報告してくれました!


2/14-18に北海道大学札幌キャンパスで安定同位体分析を行いました.

 

安定同位体を用いた過去の研究は,以下のブログを参照してください.

https://hokkaidocean.sakura.ne.jp/2021/03/28/rep-2/

https://hokkaidocean.sakura.ne.jp/2021/12/15/rep-17/

 

通常の元素と安定同位体の比率は,生息海域や栄養段階によって異なることが知られているため,安定同位体の比率を調べることで生物の食性をある程度明らかにすることができます.従来行われてきた胃内容物調査は,消化されてしまったものがわかりにくい,直前に食べたものしかわからないなどのデメリットがありましたが,安定同位体分析はこれをある程度解消でき,より長期的な食性を明らかにすることができます.

 

安定同位体の分析機やサンプルを測定する電子秤は,高価なため自前で持っているわけではありません.そこで,機械を持っているところに分析に行きます.分析では,事前に粉末するなどの前処理を済ませたサンプル(クジラのひげ板など)を0.3-0.5 mg程度電子秤ではかりとり(図1),錫カプセルに封入します(図2).その後,分析機にセットし,燃焼させ,サンプルに含まれる安定同位体の量を測定します(図3).

 

今回の分析では,1日目に少し機械の調子が悪かったり,1回機械を回したデータが使えないデータだったりといったハプニングもありましたが,とりあえず必要なデータをそろえることができました.

 

分析のサポートをいただきました,技術補佐員の方には大変お世話になりました.ここで御礼申し上げます.

図2:図ったサンプルを入れる錫カプセル.これをピンセットで折りたたんで円柱状にする.

図3:サンプル入りの錫カプセルを入れて分析する.全部にサンプルを入れると,分析に15時間以上かかることも

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