2024年9月ラッコ調査ブログ

こんにちは!M1のSです。9/10-15に根室で行われたラッコ調査について報告します!

今回の調査は天候も良く、4日間海に出てラッコを観察することができました。交尾行動や個体どうしの喧嘩を見ることができ、充実した調査でした。今回はラッコ調査2回目の私が、現場で感じた「ラッコ調査の難しいところ」について紹介します!

 

  • 何を食べているのか?

漁業との軋轢が懸念されているラッコたちが普段何を食べているのかを知ることはとても重要です。私たちは採餌しているラッコを見つけると、一定時間観察し、食物の記録を行うのですが、その種類を見分けるのがとても難しいのです。遠くに浮かんだラッコが小さな手で持っているものが、カニ、ウニ(まだ分かりやすい)、ヤドカリ、巻貝、二枚貝、あるいはヒザラガイなのか…慣れている人でないとなかなか見分けることができません。また、ラッコはお腹の上の食べかすを落とすためにくるくる回りながら採餌するのですが、そうすると、今食べている餌が何個目なのか分からなくなるのです。あまりにも難しい…

[写真1] ウニをお腹に乗せ、何かを食べるラッコ

 

この写真のように、何かを食べている様子は分かっても食べ物が掌より小さいと判別がつきません…。ラッコの食べ物マスターになれるよう観察眼を磨いていきたいです!

 

  • 親子ラッコの行動

観察をしていると、親子のラッコに出会うことがあります。浮かんでいるラッコの胸や後肢付近をよく観察するとふわふわの毛に覆われた赤ちゃんが乗っかっているのです。

親子ラッコも行動記録を行うのですが、母ラッコが子ラッコへ行う行動を識別するのが至難の業でした。授乳しているのか、グルーミングしているのか、ただ一緒に休んでいるのか…。子ラッコの向きが分かれば特定しやすいのですが、毛皮に覆われているため顔の位置と向きがわかりにくく、判別がつかないのです。先生の説明を聞きながら、何度も双眼鏡越しに目を凝らしていました。このように非常に難しい親子ラッコの観察ですが、時折子ラッコが母のお腹から降りて2頭でこちらを見ている様子は可愛らしかったです。

[写真2]2頭で警戒中?

 

〜〜ラッコ調査の合間話〜〜

今回私たちは北海道大学附属の臨海実験所に宿泊しました。事前の天候不良により車が通れるスロープが崩れていたため、観察機材を自分たちのリュックに入れて毎日坂を登りました…!体力的にはきつい日々となりましたが、臨海実験所は山の麓、かつ海の近くなので晴れた日はこんな風に綺麗な星空が見られました!

[写真3]北大Nくん撮影。ヤブ蚊に刺されながら頑張って撮ってくれました。

 

そして、ここ最近北海道では低緯度オーロラが話題になっていますね。私たちの滞在時には名寄で出ているというニュースがあったのですが、、、なんと厚岸からも見られました!夕焼けに見えるかもしれませんが、これを撮影したのは23:05。見まごうことのない低緯度オーロラです。なんてラッキーなのでしょう。低緯度オーロラに興奮した私たちは、見逃すまいと実験所の玄関口にパソコンを持ち込み、地べたに座り込みながら作業をしていました(寒かった…)。そして、実験所から観測地までは車で2時間ほど離れているのですが、その道中では北海道らしい動物たちにたくさん出会えました。牛や馬をはじめ、狐、タンチョウ、鹿も見られました。鹿は道路に飛び出してくるので要注意です。このように毎日北海道の自然を感じながら調査とデータ整理の日々を終えました。

 

[写真4]低緯度オーロラ

 

[写真5]実験所前に群れる鹿。

 

次の調査ではもっと頼れる人材になるべく精進していきます!読んでいただきありがとうございました。興味を持ってくださった方は、ぜひ道東の大自然やラッコについて調べてみてください。ラッコを通じて、北海道の海について一緒に考えていただければ幸いです。

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