写真1.松前で出会ったキタオットセイ
D3のSくんが報告を書いてくれました!
2022年5月1日~15日の間,北海道南部にある松前町に滞在し,キタオットセイ(以後オットセイ)への衛星発信器装着を試みました.
今年度からは,京都からの移動となるため,昨年度までのように日帰りで函館から松前に移動することはなく,松前にしばらく滞在して海況の良い日に漁船に乗り込んで調査しました.
調査前半は,うねりや風が強く,なかなか船を出すことができませんでした.やっと船を出せたかと思っても,なかなかオットセイは見つからず…
後半になり,海況の良い日が増えましたが.やはりオットセイはいません.
代わりにカマイルカたちが華麗なジャンプで私たちを慰めて(?)くれました(写真2).
写真2.カマイルカのジャンプ.
そのような苦しい状況が続きましたが,我々はなんとかオットセイを発見することができました!
そして,追いかけているうちに気づけば2頭になり,オットセイ同士がNose-to-Noseをする様子を初めて見ることができました(写真3).この2頭はその後しばらく一緒に行動していました.
写真3.キタオットセイのNose to Nose.
オットセイを見つけましたが,今度はなかなか捕獲がうまくいきません.実は調査期間中,イワシの大群がやってきていました.調査中も,イワシたちがピチャピチャと海面をはねる様子が見えていました(海獣班Twitter:https://twitter.com/Kaiju_Han/status/1524734449430462465?cxt=HHwWgoDUsej5-KgqAAAA).
また,漁師さんの話によれば,漁網にもイワシがかなり刺さってしまい,取り外すのに大変苦労されていたそうです.もしかするとオットセイはたくさんのイワシを食べて,おなかがいっぱいだったため,捕獲が上手くいかなかったのかもしれません.
最終的に衛星発信器は1個体にしか装着できませんでした.やはりフィールド調査は思うように上手くいきません.これにめげずに,これからも調査ができればと思います.
松前調査では,地元漁業者や宿の方などに大変お世話になりました.この場をお借りして御礼申し上げます.
~おまけ~
松前では,毎日自炊生活をしました!
時には,漁師さんから魚介類を分けていただき,海鮮料理も作ったりしました(写真4).
毎日美味しい料理を食べることは,フィールド調査を乗り越える上で重要な要素のひとつですね!
写真4.松前滞在中に作った料理.魚介類は漁師さんからいただきました!