M1のOさんが浅虫水族館で実験してきたので,その報告です!
—-
1月21日から1週間, 青森県にある浅虫水族館にて, ゼニガタアザラシを対象とした認知実験を行いました. 今回の実験は, 事前に学習させたオブジェクトの明度や形状を変えても, 同じオブジェクトとして認識するのか?それとも異なるオブジェクトとしてしっかり弁別することができるのか?アザラシは, 物体を弁別するのに, 明度と形状どちらに注目して弁別しているのか?を明らかにすることが目的です.
対象とした個体はオス3頭メス2頭の計5頭です. 実験開始3ヶ月前からオブジェクト(図1)を使ったトレーニングを開始して, 写真で示した2つのオブジェクトの中から正解である”A”のオブジェクトを鼻で触れて選択することを覚えてもらいました.
図 1
実験1日目, 事前に行っていたトレーニングの様子を観察し, 学習できているかどうかを確認します
5頭とも80%以上の正答率で, トレーニング期間でしっかり学習してくれていました!
オブジェクトを覚えられたことが確認できたら, 実験開始です.
明度, 形状が様々なオブジェクトをランダムに2つずつ呈示して, 正解だと思う方を鼻でタッチして選択してもらいます(図2)
図 2
事前に学習したオブジェクトは暗いグレーの円形オブジェクト…
三角形のオブジェクトのみを提示した時, 5頭とも明らかに混乱している様子が確認できました
形状が異なると, たとえ明度が同じであっても”異なるオブジェクト”と認識するようです.アザラシにとっては明度よりも形状が, 物体を識別する際の重要な手掛かりなのかも知れません
詳しい実験結果についてはただいま解析中です!
さらに追加実験を行うなど, 海生哺乳類の認知について今後も研究していきます!