M1のKさんから,7月のラッコ調査についての報告です!
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2022年7月19日〜24日に、北海道東部根室市で、ラッコの生態調査を行いました。
今回の調査の目的は、ラッコの行動観察、利用場所の把握、ラッコが捕食している餌の種類や数の目視調査です。
みなさん、ラッコは何を食べているか知っていますか?
私たちの調査では、摂餌中のラッコを見つけて、餌を取る際の潜水時間、その後の水面滞在時間、そして取ってきた餌種類や数を記録します。
“カッカッカッカッ”
激しい音が響きます。
ラッコがお腹においた石や貝に、貝を叩きつけて割っているようです。
写真1
貝を割って食べたかと思うと、脇の下からもう1つ貝をだして、また割って食べ始めました。
写真2 お腹に赤い石をのせて、手には貝を持っています。
また、お母さんと一緒に子供が潜っている様子を目撃しました。
潜り方や餌の取り方を学習しているのでしょうか。
写真3 母ラッコは餌を取ってくるのですが、子ラッコは取らず(取れず?)一緒に潜って水面に戻ってきます。
このように貝やカニなどを食べているラッコですが、実は体温維持のために多くの餌を必要とします。そのため将来的には漁業との対立が起きないとは言えないかもしれません。
そのため、漁師さんをはじめとした、人とラッコの共存に向けて、私たちはその間に生じうる問題の解決に繋がるよう、研究をしています。
写真4,5 タツモに絡んでゆっくり休んでいるラッコもよく目撃します。
本研究では、地元漁師さんをはじめ、漁業関係者の方々、各地水族館の方々、資料館のみなさまに大変お世話になっております。
この場を借りて御礼申し上げます。
〜おまけ〜
ラッコを見てみたいと思った方!
日本国内では2ヶ所の水族館でラッコを見ることができます。
また、根室市の落石ネイチャークルーズでも野生のラッコをみれるかもしれません。
ぜひ実際にラッコをみてみてください。人と野生動物の共存について考えるきっかけになれば嬉しいです。