4年生のMさんがレポートを書いてくれました!
6/16、6/17に網走沖にて目視調査と海洋観測を実施しました。
網走沖合のオホーツク海は、季節的に様々な海棲哺乳類が来遊しています。
海棲哺乳類の空間分布を明らかにすることは、海棲哺乳類と環境の相互作用を解明し、種の保全を考える上で重要です。
本調査では、目視調査により調査海域内に来遊する海棲哺乳類の種と分布場所を明らかにし、海洋観測を行うことで海洋環境を把握し、海棲哺乳類の分布に影響する海洋環境を明らかにすることを目的としました。
調査は観光船チパシリをチャーターして行われました。
2日目の朝は霧がかかっていましたが、両日ともに総じて天気も海況も良く、調査日和でした。
函館では夏の兆しを感じる頃ですが、6月の網走の海上は少しひんやりしていました。
写真1.アッパーブリッジからの調査船の写真
航行中は、アッパーブリッジでの海棲哺乳類目視調査と、船首での海洋プラスチックゴミの記録を行いました。
また、事前に決めた観測地点と、海上で海鳥が集まっている地点において4種類の海洋観測を行いました。
①NORPACネットによるプランクトンや海洋プラスチックの採取
写真2.NORPACネットでの採取
②海水中の環境DNA調査に向けた採水
写真3.バンドーン採水器による採水
③CTDによる塩分、水温、深度の鉛直記録
写真4.CTD観測
④海洋マイクロプラスチックの採集
網走沖は根室海峡の近くですが、今回の調査では、シャチは残念ながら発見できませんでした。しかし、両日ともにオットセイ(写真5)やイシイルカ(写真6)、ツチクジラ(写真7)を発見できました!
写真5オットセイ
写真6.イシイルカ
さらに、2日目の午後にはツチクジラがブリーチしている様子が観察できました!大きな体が宙を舞う光景は圧巻でした!
写真7.ツチクジラのブリーチ
また、両日ともアホウドリを偶然見ることができました!運が良いですね!
写真8.アホウドリ
海洋観測は、観測地点に到着次第、4種類もの観測を並行して進める必要がありました。
最初は手惑うこともありましたが、回数を重ねるにつれてどんどん手際が良くなりました。
海洋観測の中でもNORPACネットは、動物プランクトンが逃げないように素早く引き上げなくてはならず、特に大変でした。
そこで活躍したのは、縄を絡ませずに素早く巻き取れる海獣班手作りの装置です!
その名も「ぐるぐるくん」!(設計・制作約10時間!)
写真9.ぐるぐるくん
余談ですが、オットセイ調査や羅臼調査で船酔いしていた新人の学生たちは、各々の対策によって船酔いで動けなくなることが減ってきたようです!
今回の調査は、今後の調査の事前準備も兼ねて行われました。今後の調査に活かしていきたいと思います。
本調査は、チパシリの乗組員の皆さん、宿泊施設の方々を含め、多くの方のご協力のもと無事に行うことができました。この場を借りて御礼申し上げます。