Synchronous shallow dives by Weddell seal mother-pup pairs during lactation

Katsufumi Sato, Yoko Mitani, Hiromitsu Kusagaya, Yasuhiko Naito.
Marine Mammal Science 19(2):136-147 (2003)

要旨:ウェッデルアザラシは南半球の春である9~11月に,南極海の定着氷と呼ばれる厚い氷の上で出産する.授乳期の後半に見られる母親の行動は3つのパターンに分けられる.氷上での子育て(授乳)と200m以上潜水して行う採餌,そして50m以下の浅い潜水である.ウェッデルアザラシが補食する餌は,200m以深に生息するため,50m以下の浅い潜水は摂餌のためであるとは考えにくい.そこで,本研究では,浅い潜水がどのような機能を持つのかを明らかにするため,母アザラシに静止画像を記録することができるカメラデータロガーを装着し,行動を直接観察した.この結果,50mよりも浅いところで撮影された画像には,母親の周りを泳ぎ回る子供が写っていた.次に,母と子供に同時に潜水行動を記録できるデータロガーを装着したところ,母親が浅い潜水を行っている間に子供も遊泳していること,潜水プロファイルが同調していることが明らかとなった.このような浅い潜水は,母親が自分の摂餌潜水の時間を犠牲にして,子供のために行っている社会的な行動であることが示唆された.このようにデジタルカメラを動物に装着することにより,水中での行動を“直接観察”することが可能となった.

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